GREETING

2024年度 一般社団法人伊丹青年会議所 理事長所信

踏み出せ!Jaycee!
~感動が、人を動かす~
第61代 理事長 二葉 卓

はじめに

 1963年、明るい豊かな社会の実現を理想として、一般社団法人伊丹青年会議所は日本で252番目の青年会議所として誕生しました。昨年は創立60周年という節目の年を迎えることができました。これもひとえに、創立以来、先輩諸氏の高い志に基づいた運動の積み重ねが今日の礎となったものであり、ここに改めて、伊丹青年会議所に関わっていただいた全ての皆様に敬意を表し、感謝申し上げます。

 次の節目となる創立65周年に向けて、本年度は第一歩目の年となります。成し遂げたことを土台に新しいことに踏み出し挑戦するという決意を持ち、第61代理事長としての責任を深く受け止め、所信を申し上げます。

 伊丹青年会議所はこれまで、未来を担うリーダーを育てることについて、さまざまな運動を発信してきました。価値観の多様化やAI技術の躍進により、社会は目まぐるしく変化しています。今まで通りのやり方を続けているだけでは、成果をあげることができません。変化が加速している社会において、新たなことにチャレンジすることは、伊丹青年会議所にとって必須であると考えます。

 次々と挑戦をし続け、成し遂げた経験を土台に新たな挑戦をする想いを込め、本年度のスローガンを「踏み出せ!Jaycee!~感動が、人を動かす~」とさせていただきました。踏み出すとは、自分自身の限界を超え、新たな挑戦に立ち向かう勇気を持つということです。踏み出すことで人は何かを学び、その学びが成長へと繋がります。その成長は周りの人を感動させ、感動が人を動かし、新たなチャレンジを生み出すのです。

 人は時として何か新しいことに挑戦するとき、失敗を恐れ、あるいは自分にはできないと思い、躊躇してしまうことがあります。そこで立ち止まっていては何も始まりません。どんなに考えても初めてのことは、やってみなくてはわかりません。少しでも挑戦したいと思うのならば、まずはやってみることが重要です。一歩踏み出してしまえば、見える景色が変わり新たな価値観を持つことができます。一歩踏み出したとしても成功するとは限らず、失敗してしまうこともあるでしょう。その失敗さえ、次の成功への糧となるのです。積極果敢に活動・挑戦している人で溢れる組織となり、明るい豊かな社会の実現を目指し、邁進してまいります。

全員拡大 ~より良いまちをつくるために、全員で踏み出せ!~

 JCの使命は、まちを良くする人財を育てて増やし、社会に輩出することです。そのため、会員拡大が重要です。まちをより良くする人財を増やすことで、まち自体も向上します。会員拡大は、JC活動を見つめなおす機会でもあり、JCの魅力や社会への影響を理解し、同志を増やすための重要なステップです。
 創立65周年に向けて、今年度は一歩踏み出し、挑戦する年です。拡大委員会の労力を拡大活動に集中させるため、設営は設営に集中することが重要です。伊丹青年会議所が選ばれるためには、各メンバーのブランド力と過去の事業が重要です。
 全メンバーが拡大運動に参加し、意識を高めるためには、一部のメンバーが行う拡大活動から全メンバーが行う拡大運動へと昇華させるため、個々が拡大の重要性を理解し、自身の役割を認識することが必要です。2024年度では、戦略的かつ組織的に意識を定着させ拡大運動に取り組みます。全委員会で拡大に向け、踏み出します。

人財育成 ~成長のために踏み出せ!~

 観光資源の枯渇、若者の地域活動離れ、企業の衰退、リーダーの不在、地域は多くの課題に直面しています。このような状況に積極的に取り組み、課題解決に邁進するリーダーシップを持つ人財が必要です。
 地域社会を牽引するリーダーを世に輩出するため、リーダーとなる人財を育成します。私が考える地域社会を牽引するリーダーにはふたつの要件があります。ひとつめは、課題を明確にし、その解決に向かって突き進むことです。地域社会の課題を見つけ出すこと、そしてその課題解決に向けて実行力があることはリーダーの最低条件であるといえます。ふたつめは、周囲を巻き込む力が必要です。目標に向かって進める際、周囲の人々から積極的に協力を引き出し、成果を上げる能力を指します。同時に、組織全体が巻き込まれ力も大切です。素直に言われたとおりにやってみることで、できた成果が次のチャレンジに繋がり、より大きな目標に挑戦することができます。巻き込み力の強いパワーと巻き込まれ力の柔らかなパワーで組織を強くします。
 自ら目標を見つけ、そのために努力し、多くの仲間を巻き込みながら、他の人をアクティブシチズンへと変革する人財を育て、増やすことが目指すべき方向です。メンバーがアクティブシチズンに変わることで、複数の目標を同時に達成できるようになり、地域と市民の意識変革が明るい豊かな社会の実現へと繋がると信じています。メンバー成長のために、一歩踏み出します。

まち賑わい ~まちの活性化のために踏み出せ!~

 コロナ禍も緩やかに収束し、外国人旅行客の入国制限が撤廃されました。2025年の大阪・関西万博は、日本にとって盛大な賑わうイベントとなるでしょう。この万博は国際的な交流の場であり、多くの国からの訪問者が新たな文化や技術を共有します。
 万博には、人・モノを呼び寄せる求心力・発信力があります。予想される来場者数は約2,820万人です。伊丹空港(大阪国際空港)は、万博の印象を形成する重要な玄関口となるでしょう。インバウンドの効果は観光の経済効果だけではなく、地方の雇用にも貢献し、人々の流れが地域を活性化させます。
 伊丹市では約3,400人、51カ国以上の外国人が居住し、在勤・在学等の外国人を含めるとより多くの外国人が活躍しています。今後、外国人の数は増え、国籍も多様化するでしょう。この状況下で、異なる文化に触れ、外国人と交流することが大切です。他人やその文化を受け入れることで、私たちが当たり前に思っていることが魅力的なモノに気づくきっかけになります。
 したがって、今年度は市民と連携し、伊丹市の活性化を目指すまち活性化事業を開催します。市場は年々縮小している中、国内市場が頭打ちになる中、より広範な視野で世界を見つめることで、伊丹市はより活性化するでしょう。観光客や地域外の人々を引き寄せ、地域経済の活性化する一方、外国人の増加によって、宿泊施設や飲食店、地元の商業施設などの需要が高まり、地域の産業やビジネスにプラスの影響を与えることができます。まち活性化は、市民や関係者の地域愛を育む醸成に繋がります。まち活性化に踏み出しましょう。

青少年育成 ~時代を担うこどもたちのために踏み出せ~

 未来を担うこどもはまちの宝であり、こどもが心身ともに健全に育つことは、いつの時代においても大切なこととされてきました。ある調査によると、日本のこどもは自己肯定感低く、自分は価値がないと答えたこどもが半数以上いました。少子化の影響で過保護・過干渉である親が増えたこと、経済格差や国籍の違いによって劣等感を抱きやすいこと、他にも様々な社会問題が調査結果の背景にあります。こどもにとって、何かにチャレンジし、成功と失敗を含めた様々な体験は豊かな人間性を育むために不可欠であり、チャレンジ精神の豊かなこどもが増えることがよりよいまちづくりへ踏み出す第一歩となります。
 日本が直面している少子高齢化社会において、次代を担うこどもの育成は重要なテーマです。何かにチャレンジして失敗してしまったことが悪いわけではなく、その失敗とどう向き合い、立ち直っていくかが、人を豊かに成長させるのです。自分はできると信じているこどもは、逆境や困難に直面しても、チャレンジを繰り返し、成功体験を積み重ね、根拠のない自信を根拠のある自信に変えていく力が必要です。こども達が勇気を出して、一歩を踏み出す事業を創ってまいります。

総務広報 ~組織のために踏み出せ!~

 現在は急激な変化が求められている現代であり、組織には変化に対応する柔軟性と団結力が必要です。柔軟な意思決定と円滑な意見調整が不可欠であり、それを支える基盤として、固定概念にとらわれない組織運営と、内部のコミュニケーション強化が必要です。
 技術の進化や価値観の多様化によって、非効率なものや不必要なものが排除されるようになりました。この進化の中で、変えるべきことと守るべきことを再評価し、共に学び、共に成長する組織を築きます。
 伊丹青年会議所は、ホームページやSNS等の広報手段に積極的に活用し、年間を通じて行われる様々な事業の告知や活動報告を俊足に発信しています。今年度も広報活動を継続すると同時に、組織内での情報共有を強化し、効果的なコミュニケーションの確立や適切な技術の活用を通じて、会員のモチベーションを維持し、組織全体が力を合わせて全力で踏み出してまいります。

新入会員理念拡充会議 ~新たな一歩を踏み出せ!~

 昨年、13名の新メンバーが伊丹青年会議所に入会し、組織に新しい風が吹きました。
入会動機はさまざまですが、「なぜJC活動をするのか」を理解し、JC活動に責任を持って行動する必要があります。
 JCの理念に共感し、自己の修練を行い、地域奉仕を通じて友情を築くことで、成長の機会を活かすことが目的です。40歳で卒業を迎える限られた時間の中で、自らの成長を追求し、能力・人脈・実績を得る機会が重要です。
 入会者のフォローを通じて、JCの活動意義を深め、理念を浸透させます。新入会員は理念の基盤を築き、組織全体の基盤を強化する重要な1年となります。成長と奉仕の機会を提供し、踏み出します。

むすびに

 私は伊丹青年会議所に入会し、さまざまな出会いや成長の機会に恵まれました。その中で、本気で取り組む仲間たちに触れ、自己の成長を感じ、多くの仲間を得ることができました。私の心に響く言葉があります。「人は、素晴らしい出会いによって、何度でも生まれ変わることができる。きたときよりも美しく。」とあります。たくさんの価値観に触れ、考え方が変わることで行動が変わり、成長の意義を生まれます。
 地域の発展を本気で考え、明るい豊かな社会の実現を築くために活動するメンバーがたくさんいます。今、与えられた環境を言い訳にせず、自覚を持って行動すれば、誰でもリーダーになれると信じます。変化や進化を困難なものとしてではなく、やりがいに満ちて前向きにとらえ、行動することが大切だと思います。
 私は必然的な幸運と偶然の幸運があります。目標に向かって努力すると、道標を示してくれる人や手を差し伸べてくれる人が現れてくれました。人に奉仕する気持ちを忘れず、楽な選択ではなく、あえて難しい方への選択へ、一つ一つの選択が成長への近道なのかもしれません。徳を積み上げ、必然的な幸運を増やしていく。私たち自身が理想の環境を築き、まちのため、人のため、未来のために一歩踏み出すことが、明るい豊かな社会につながると確信しています。