理事長所信
2012年度 社団法人伊丹青年会議所
理事長 伊藤 文吾
報恩謝徳
~今こそ恩義に報いる時 ひと・まちのために~
はじめに
私たちの住む国日本は、戦後の高度経済成長期を経てバブル経済の崩壊まで凄まじい勢いで成長し続け、まちの中には物が溢れ人々が何不自由なく暮らせる世界の経済大国となりました。しかし現在、社会はバブル経済崩壊後の長引く不況、政治不信、少子高齢社会、環境など数多くの問題を抱えています。さらなる問題はその経済発展を成し得る過程において、社会として人として大切なものを顧みず置き去りにして来たことではないでしょうか。人間関係は希薄化しローカルコミュニティーは失われ、それに伴ってか連日のように報道される犯罪は凶悪化し、低年齢化の進行には歯止めがかからず、親子間での悲惨な事件は後を絶ちません。またこのような背景がもたらす利己主義や他人任せの風潮は人々の道徳観を困惑させ、社会全体の秩序までも乱していると言えます。これらの問題は私たちの社会に大きな影響をあたえ、先行き不透明な時代に拍車をかけているようにも思えます。
今まさにそのような時代だからこそ、変革の能動者たらんとする我々青年会議所メンバーが未来を見据え「明るい豊かな社会」の創造を目指し、その扉を開かねばならないと殊に思います。我々伊丹青年会議所は1963年の設立から49年という長きにわたり我がまち伊丹と共に歩み成長してまいりました。まちで生まれ育ち成長し今もなお活動できることに感謝し、この素晴らしいまちを築きあげてこられた諸先輩方やこのまちに、今こそその恩義に報いるべく我々の持たんとする全ての想いと力を注ぎ、地域に必要とされる活動を展開してまいります。そして社会が置き去りにして来た忘れ物を取り戻します。伊丹青年会議所メンバー全員が「報恩謝徳」の想いを抱いて。
夢と魅力にあふれるまちづくり
我々青年会議所は「明るい豊かな社会」の創造を目的とする団体であります。しかしながらその活動、あるいは存在というものは地域社会にどれほどの影響力を与え貢献し認知されているのでしょうか。地域社会が求めそして称賛される活動、そしてその活動こそが「明るい豊かな社会」の創造へ向けての礎となるべきものでなければただの自己満足にしかなりません。今本当に地域社会が必要としているものを調査・研究し、見出し、展開していかなければならないと考えます。伊丹は人口約20万人、面積25平方キロメートル程の小さなまちですが、空港のあるまち、自衛隊のあるまち、清酒発祥のまち、として全国でも類を見ないまちとして知られています。
しかし伊丹のまだ見ぬ魅力は数多く存在しているように思います。市民に愛されるまちにするため数多くの魅力を引き出し発信してまいります。また、高度情報化社会と称されるように世の中には様々な情報が秒刻みで大量に流出しています。その膨大な量、速さから生じる誤った情報や不利益な情報を批判し肯定できるだけの能力を身に付け、正しく判断しなければなりません。そのためには行政・各諸団体・そして市民と連携し共同していくことが必要不可欠です。そうすることで本質を見出し、より効果的な意義のある活動を展開していくことができると考えます。青年会議所しかできない創造力と行動力で伊丹を夢と魅力あふれるまちにしてまいります。
会員の拡大と資質向上
長引く経済不況、少子高齢社会、団塊ジュニア世代の成長など昨今の会員減少にはさまざまな要因があげられますが、明るい豊かな社会を創造するという崇高な使命を達成する為には、一人でも多くの志を同じうする会員の力が必要です。多くの市民をまちづくりに巻き込んでいくには、これから青年会議所に入会しようとする青年をはじめ、市民からも共感と信頼を得る必要があります。そしてその共感と信頼を得るには、より効果的なそして幅広く地域に浸透していく活動を展開していかなければならないと考えます。また青年会議所には卒業制度が設けられているため必然的に会員は減少します。今まさに会員拡大による組織強化は急務、必須事項です。
また、会員増員に並行し個々の資質向上が重要です。まちづくりを時代の先頭に立ち率先して活動していく団体として、まちづくりのできるひとづくりは我々の重大な課題の一つにあげられます。利己主義や他人任せの風潮を打破し、自己を磨きあげ(修練)、他人をそして社会を思いやる心を持ち(奉仕)、その心と心が共感し合える(友情)研修・事業を展開してまいります。また伊丹JCシニアークラブ会員の諸先輩方や各地青年会議所のメンバーとの交流を深め、青年会議所活動の前例や他例を学ぶことなどその人脈から学び得ることも重要です。結果、さまざまな研修や交流を経て得られた知識や経験は、メンバー一人ひとりの財産になり、企業力の向上を促し、更には地域社会への貢献に繋がると考えます。
次世代の担い手となる青少年の健全育成
次代の担い手となる青少年の健全育成は我々だけではなく万人が願うところです。
しかし、現代社会の子どもたちを取り巻く現状は決して明るいものではありません。親子の絆は希薄化し他人を思いやる心が失われつつあります。そんな時代だからこそ、子どもたちの豊かな心を育み成長し得る活動を展開していく必要があるのではないでしょうか。
親が子を深く愛し、子は親を敬愛する。そんな親子間での当たり前の気持ち、思いやりの心が社会に浸透すれば昨今の諸問題は改善され、ローカルコミュニティーの活性化へと繋がっていくと考えます。我々や諸先輩方が、長年に渡り取り組んできた青少年健全育成活動は、時代の移り変わりに合わせ様々な形で多くの子どもたちに夢と希望を与えてきました。そして、地域のリーダーになり得る多くの人材が社会へと羽ばたいていきました。今後も会員一人ひとりが使命感を持ちつづけ時代をそして未来を見据え、子どもたちが夢や希望を持てる時代を築いてまいります。それは我々青年会議所メンバーのみならず大人の使命であると考えます。
公益社団法人格取得にむけて
数年前から青年会議所には、組織、財務体質の透明性や健全性、さらにはコンプライアンスの徹底など公益法人として高い精度が求められています。伊丹青年会議所では、この社会的責任を果たすために2009年度より公益社団法人格取得へ向け、委員会を設立しその取り組みを行ってまいりました。認定取得に際し懸念されます事項に公益目的事業比率や新公益法人会計基準への対応、事務局体制の構築など課題は数多くありますが、組織を更に進化させ、先輩方から受け継がれてきた伊丹青年会議所の魅力や伝統を損なうことなく、課題を一つひとつ克服し公益社団法人格にふさわしいLOM運営を目指します。
むすびに
我々はこのまちに生まれ育ち、今、社会に出て青年会議所メンバーとして活動しております。その背景には親、兄弟、友人、関わった全ての人々、そしてこの町の厚意があったことを忘れてはなりません。全てのことにおいて恩を感じその恩に報いる気持ちは、青年会議所会員のみならず一人間として大切なことだと殊に思います。今こそひと・まちのために持たん限りの情熱と行動力を発揮し、青年会議所メンバーとしての誇りを持ち、明るく豊かな笑顔あふれる未来に向かって想いを一つにし、邁進する所存であります。社会が置き去りにして来た忘れ物を取り戻します。
「報恩謝徳」の想いを抱いて。

