>>マカオメンバー来日に際して〜
 6月30日午後7時、関空到着ロビー。
 複雑な気持ちで庄野副理事長とヘンリー理事長以下8名のマカオメンバーの到着を待つ。この二ヶ月間下手な英語と個性的な日本語でお互いコンセンサスを取ってきたつもりだが、どれだけ我々の状況を理解してもらえたのか、どんな気持ちで来日するのか、顔を見て目と目を合わせて話をしてみるまでその真意は確かめ得ない。いや、たとえ向かい合って二時間話してもお互い真意を確かめることは出来ないかもしれない。不安は増す。でもまずは笑顔で迎えなければ。到着ゲートのマジックミラーに向かって、笑顔の練習。マジックミラーにマクドナルドの教官にでもなれそうな笑顔が浮かび上がるはずだか、そこには、『ムンクの叫び』。
 7月5日午後5時、伊丹シティホテルロビー。
 複雑な気持ちでエスカレータをくだる。大村のメンバーを送り出し、植田委員長の涙に感動し、一つの達成感がそれなりに無いわけではない。なんともあわただしく短い一日、ただまだ今日一日が、記念式典という全体事業が終わったわけではない。その思いが胸に軽いつっかえ棒を作り出す。ウェルカムパーティからフェアウェルパーティーまで時間と空間を共有する。それは海の向こうでもこちらでもおなじだ。
共有できなかった時間と空間それを埋め合わせることができるのだろうか。
 7月5日午後6時、ニュー大阪ホテルロビー。
 複雑な気持ちで、マカオメンバーの待つホテルのロビーに向かう。何事もなかったように、フェアウェルパーティー会場に向かおうと思っていた。ただ今日一日彼らがどんな風にこの長い一日をすごしたかは聞きづらい。やはり何事も無かったように振舞おう。
 ヘンリー理事長が笑顔で僕を迎える。少々疲れた顔だが、開口一番僕にこう尋ねた。
「ハウ ワズ セレブレーション」
 一瞬、どう答えようかと迷った、やはりまずは謝ろう、ところが僕の口は、
「ベリースムース アンド スマート ベリーグッド」
 僕たちを囲むメンバーの輪から口々に、
「コングラチュレーション」と喜びの声があがる、僕はグット来る感情と恥ずかしさで消え入りたくなってしまった。
 7月6日午前9時、関空出発ロビー
 単純明快な気持ちが僕の心の片隅に芽生えつつあった、板野先輩、大西理事長、庄野副理事長を始めとする我々お見送り一行の胸にはある種の同じ思いがあったのではないだろうか。以前「何のために彼らが来るのかその真意を汲んで接するべきだ」という文章をこの稿に寄せたことがある。確かにいろんな理由付けはあるだろう、しかしそんな理由が無くてもいいのじゃないかなと思えてきた。むしろその方が実は大切なような気がしてきた。
 次に彼らの顔を見るのは一年先か二年先か、日本かマカオか、ある程度の想像はつくものの確たる予定があるわけではない。ただそんな時間や空間を超越しても、会ったときにはお互い「オー」と声を出して満面の笑みで抱き合える、そんな人間がこの地球上の他の国にいる。そんな不思議な状況を情理の相克を越えてお互い分かち合えること、楽しめること、そしてまたの再開を楽しみにできること。そんなことが大切じゃないかと思えてきた。
○月○日 午後○時 マカオ
単純明快な気持ちでマカオメンバーと「オー」と声を出して再会を喜ぶ。
前回来日を見合わせた四人のメンバーを含めて。
やはり、そのとき初めて僕の胸のつっかえ棒がとれるのかも。そんなことを思いながら再開を楽しみにしている。
渉外委員長 佐藤 俊也